ハゲない投資ー株というゲームに勝つ方法と10年やってわかったこと
株をはじめたのは10年ほど前。2005年頃。
何もわからずライブドアとか買ってみて全然儲からないなと思っていたら、それからまもなくライブドアショックで数万円の大損。
ダメだなと思ってやめようとしてたとき、大証ヘラクレスが闇の取引所から8本表示の板になり、闇の取引所の売買が見えるようになったことがはじまりだった。
スキャルピングなら簡単に儲かることにすぐに気がついて30万くらいの資金で小遣い稼ぎを繰り返す。
その後狙う値幅が大きくなり利益も増加。資金は数百万に増えた。
しかしロットが大きくなると難易度が上がり、他の手法もやってみるがうまくいかなくて失敗。
その後短期売買のあらゆる手法を開発し、なんやかんやで3年くらいで億り人となった。
それからなんやかんやで3億5億と増やしたが、だんだんやる気がなくなりだらけた生活をしていた頃、アベノミクスという地獄がはじまった。
逆張り割安株や低位株大量買いが主な収入源だったのに、低位株が激減。
それでもさすがにアベノミクスは儲かったものの、ストレスは以前の比でなく体調を崩すことも多くなってしまった。
2015年くらいまでツイッター見たこともなくてアカウントすら持ってなくて、ネットも開示と日経とSBIのツールのニュースくらいしか見ない人間だったので、
情報源がツイッターに移行していることや、煽り屋のようなものを全く知らなかった。
ツイッターを知ったことでそこから情報を得ると同時に、半年くらいかけて本当にうまい人を選別してツイートをリアルタイムで追うようになった。
こうして自分よりはるかにうまい人の売買をリアルタイムで知ることとなり、また自分の売買を見直すことにした。
1年くらいでだいたいの新手法は完成、2016年あたりから新たな手法での運用がはじまった。
100万から億を目指してた頃の手法はスキャルから急騰狙いの順張りや、ストップ高大量買い、ストップ安大量買い、ブレイク買いなどが中心。
低位株を発行済み株式総数の4.5%まで買ったりと、今で言う高速、上級、共食い、殿様イナゴのすべてやるようなイナゴ4冠王だったと思う。
ツイッター時代に全く乗ってなかったのと、飽きてさぼって遊んでいたので今は普通の上級イナゴといったとこだろうか。
手法もバリュー投資主体の安全性重視の投資へとシフトしている。
しかし100億目指して増やすのをやめたわけではなく、どうしても自分の性格上そういう勝負は指数が安値圏にあるときでないとできないのだ。
もう生活に困ることは一生ないとなると、ストレスためてまで眠れないようなポジを取る気にはなれず、あくまで楽してお金を増やすのが投資の目的となる。
なるべく単純な方法で、精神的な負担が少なく、時間的コストが少なく、楽しくて快適、知的好奇心を満たすことができるのがいいのだ。
お金がないときはクソみたいな人生だったタイプなので、最初の数億までは精神的な負担や時間は金儲けのためにいくらでも費やしていたが。今はまず負担のなさが優先される。
そうして作られた投資法のテーマが「ハゲない投資」だ。
バフェットもソロスもBNFも成功してハゲている投資家はいない。
ハゲないことが負けないことにつながり、継続的な利益を得るのに大切なことだと気づいたのだ。
「儲けがない」のと「もう毛がない」のは表裏一体であり、髪の毛がなくなったらどんなに金を持っていても負けなのである。
負けない投資、ハゲない投資で勝ち続けるのがこれからの目標である。
私は100億トレーダーではないので、この投資法は5億程度を目指すことを想定して作っている。
適当にやってればそのくらいはすぐ儲かるので、なるべく投資は適当にやるのがコツである。
初期の頃はトレードが楽しくて仕方なかったし、売買手法を新たに開発する喜びもあった。
しかしそんなものはある程度増えるとなくなってしまった。
有名なフェスティンガーの1ドルの報酬実験(つまらない作業を報酬1ドルと20ドルで別のグループにやらせると、1ドルのグループはおもしろいと評価し20ドルのグループはくそつまらないと評価した)
のとおりになってしまった。
自分にとってはおもしろいと思い込むことで苦痛を我慢していただけだったのだろう。
そもそも売買手法なんてほぼ研究し尽くされてしまい、先に買った株をあとからきたアホにいかにして高値で買わせるかしかないのだ。
その先回りの方法が、チャートの買いサインだったり、ファンダメンタルズだったり、ツイッターで誰かが煽っているだったりする。
株が上がるのは、誰かが売りよりたくさん買ったからでしかなく、買いよりたくさん売れば下がるだけの単純なゲームなのだ。
空売りだのオプションだのややこしいシステムや商品はこの図式を複雑にして、一部の優位な人間が儲けやすいようにしただけなので、とにかくやらないほうがいいと考えている。
現物株を安く買って上がったら売る。これを繰り返すだけの単純なゲームだ。
一番安全なのは1円で買った株を2円で売ること(+100%)であり、次が2円で買った株を3円で売ること(+50%)である。
ここに買ってから売るまでの時間の概念が加わり、実際は1円の株なんてそうないし、買えても売るまでに時間がかかるしほぼつぶれるような銘柄だから、50円の株、100円の株を回転した方が効率が上がる。
値段がとぶならそれも効率が高くなる。寄りつきのギャップで一気に上がるのも高効率の一つだ。
売買するものが株である必要もない。
数字の効率だけを考え、まずは損する確率が一番低いこと、そしてカモから金をむしり取ることだけを考え、売買ロジックを作るのだ。
これは長期投資でもファンダメンタル投資でも共通の一番大事なことである。
金を奪い合っているという認識が薄すぎるから、株を高値で買う(誰かが安値で仕込んだ株を売りつけにきているとこで買う)ということを安易にやってしまうのだ。
会社の将来性がどうとか、経営者がどうこうなんてのは儲けまくって投資が遊びになってから後付けで適当に作った理論であり、順番が逆なのだ。
億に増やすまでほとんどチャートだけ見て売買してきて、その後だんだんいろんな知識や経験が増え、そしていろんな手法を知り尽くしてたどりついたのが、
あれ、最初の頃みたいにチャートだけでよくない?ってことだったのだ。
難しいロジックなんて全く必要なかった。
ローソク足と移動平均線数本程度を目安にして、適当にやれば儲かるのだ。
むしろ単純な方が圧倒的なのだ。
では大事なポイントはどこなのか。
まず
第一に資金管理、投入資金の配分である。
第二に自分の性格の把握とそれにあった投資法を選ぶこと
第三に売買ロジック開発・選択
第四に労力、コストの削減
こんな感じになるかと思うが、どんな手法を選ぶにしてもまず負けないための資金管理法が第一である。
私はギャンブル大嫌いで、常に現金で持っていたいタイプで、一気に億目指した時は当然1銘柄に集中投資していたが、必ず儲かったら一部は口座から抜くということをやっていた。
マックス買ったときでも生活費を除く現物全力程度までで、後で書く資金管理法を無意識にやっていたので、これは資産がどの段階でも使えるものだと思う。
ただ、この投資法は一応運用資産1000万以上の中級以上である程度勝っている投資家を対象にしている。
そこにすらきてない場合はこれから必ず必要になるんだから、先に勉強しておこうというマインドで読んで欲しいと思う。
次に自分の性格タイプの把握である。
自分が抵抗なく出来ることは何かというのを知るには、株を持ったときの損益変動に対する感情である程度わかると考えている。
株を買い1、含み益になった場合、2,含み損になった場合、そしてその状態で株価が乱高下した場合にどう感じるか、これでトレーダーの性格分類が可能なのではないかという考え方である。
さらに1、2において、ロットを2倍10倍、全力にした場合にどう感じるかでさらに細分化も可能だと思うが、そこまでは必要ないかもしれない。
そしてその後にくるのがそれをふまえた売買ロジックの作成である。
ロジックは最初の方でも言ったとおり適当でいいくらいで、具体的なことを書いたらみんなやり出して無効化するだけなので、作り方を中心に書いていくと思う。
それができたらその方法での運用にかかる労力、ストレス、コストなどを削っていく。
この辺は個人の好みでいいので、株が楽しい人には関係ない。
このようにして自分の売買ロジックを開発、修正していけば、あとは適当にやってれば儲かる。
最終的に買うか買わないかの二択なので、過度な細分化やルール作りは無駄な労力を使うだけだ。
大筋のやり方が間違ってなければ結果はそう変わらない。
持ってる株が上がったとき、それを苦痛なくずっと保有できるのは、投資家としての生まれ持った適性なのだ。
下がったらスパッと損切りできるのも適性だ。
毎日フルタイムでデイトレしても楽しいと思えるのも適性だ。
塩漬けが平気なのもやり方を間違わなければ適性だ。
自分が持ってる適性を理解し、それにあったものを中心に自分の売買ロジックを作るのがストレスフリーで儲かる投資のコツである。
続けるのが苦痛でなくなるから、そうやって経験値を稼いでレベルを上げていけばいいのだ。
2021年追記
ブロマガのサービス終了で記事を残しておこうとログインしてみたら、この記事だけで16万アクセスもありびっくり。
今では億トレーダーなんてめずらしくもない時代になったけど、早く投資をはじめて億ってなかったら人生どうなっていたんだろう。
当時の予想通り短期売買は地獄のレッドオーシャンとなり、資本を持つものがさらに資本を増やすという時代に。
それでも労働に比べたら段違いに稼げる可能性がある投資をやっててよかった。