ハゲ持ち父さん、貧乏父さん

髪と引き替えに金持ちになったハゲ持ち父さんのお金に関する教え。株式投資、都心マンション、書評など。

都心マンション徹底研究ー立地・エリア選択編ー

数年前に港区にマンションを買って住むこととなったが、お酒を飲まないから六本木や西麻布へ飲みに行くわけでもなく、特に港区に興味はなかった。
約20年前か、大学へ通うために上京するまでは超のつく田舎者である。

はじめて都心に住んだのが渋谷区のタワマンで、今も渋谷、恵比寿、代官山、原宿、表参道あたりのエリアが一番のお気に入りエリアである。

はじめて住んだタワマンの話
https://geus.hateblo.jp/entry/2019/02/16/001550

本業は株メインの投資家だが、ほぼ引退して遊んでるようなものだから、仕事で家から出る必要はない。
思えば表参道あたりは港区南青山であり、そこから徐々に港区全体へ散策範囲が広がった。

最初にマンションを買おうと検討を始めた段階では、資産性、利便性、周辺環境を最重視。
仕事もプライベートも家が中心、結果として港区となった。
資産性はもちろんだが、やはり総合的に見て便利で快適なのだ。

その調査検討過程でわかった東京の不動産に関することをまとめておこうと思う。

今回はまずマクロ編として都心の全体像を把握するような内容となっている。
いわば立地、土地選びの段階であり、エリアを決めた後の個別のマンション選びはまた別の機会に書きたいと思う。

ー東京のマンションは千代田区、港区、渋谷区が中心なので、このエリアを主要なテーマとする

ー日本の不動産は皇居と東京駅を中心に考え、ここから離れるほど安くなるのが原則である
日本最高額エリアは皇居の東側の銀座、丸の内(東京駅前)

土地の価格は通常は高層ビルを建てる方が儲かるので高くなり
商業地>住宅地
高層エリア>低層エリア
である

ー不動産は高額なので、当然お金がたくさんあるところから資金が流れてくる
東京で稼ぐ力が高い場所は
1,オフィスの最上流、東京駅丸の内エリア
2,商業地の最上流銀座
3,官公庁エリアの最上流霞ヶ関、永田町~赤坂

この三つのエリアは皇居の東側と南側に隣接している。

これらに山手線の内側で隣接するのが3A(麻布、赤坂、青山)、六本木、虎ノ門、白金、高輪、三田など。
3A全部に隣接するのが港区六本木である。

渋谷区は単純に港区、千代田区に隣接していて、特に麻布エリア隣接の広尾、恵比寿、青山エリア隣接の神宮前(原宿)、渋谷が高い。
皇居の東側、東京駅丸の内あたりから広がっていくのがよくわかる。

ー中心エリアで生み出されたお金が、生み出した人間によってマンション購入に流れる
オフィスから近い住宅街が高額だったが、職住隣接の一体再開発が近年増え、主に低層エリアの高級住宅街と六本木ヒルズをはじめとする高級レジデンス併設オフィスに二分した。

ー東京駅からの電車での所要時間が長くなるほど安くなるという原則がある
地方都市なら一番の主要都市の真ん中が一番高く、離れるほど安いとなる。
東京は大都市が集積しているので、例えば東京駅から離れても新宿に近ければまた高くなるなどの現象が起こる。

そこで山手線の内側全体を東京の中心と考え、外側にいくほど安くなるのを原則とする。
山手線内の分析が中心だが、外側にいっても基本原則は同じである

ー高層エリアのほうが低層エリアより土地の値段が高くなる
これは容積率が要因で、広さ100の土地に200や300の床面積しか建てられない低層エリアよりも、1000、2000の床面積のビルを建てられる高層エリアほうが儲かるから高くなる。
低層エリアと高層エリアのマンションは値段が同じなら低層の方が土地が強いと考えられる。

しかしオフィスやホテル併設住居の評価はどうなるのか難しい。
虎ノ門ヒルズなど、再開発で住宅地でない場所に高級レジデンスを併設したことで、住居としては単価が上がった。
土地の値段で見ればオフィス>住居だから、オフィスの強いエリアにマンションを建てると高くなるのは当然。
丸の内にタワーマンションを建てればおそらく日本最高額になるが、オフィスのほうが高い賃料をとれて儲かるので今のところ存在しない。

六本木ヒルズは映画館を併設するなどエンターテイメントからオフィス、周辺の飲食店など、観光や遊びに集まる人も多い場所である。
それに対して虎ノ門ヒルズはオフィスとホテルがメインであり、周辺もオフィスビルが多い場所で、近くで仕事していない人がわざわざ集まることは少ない。
どちらかというとオフィスメインの都心超高額エリアに高級レジデンスを造った形の場所で、ここが後で紹介する坪単価ランキングでも一位となっている。

賃料はオフィス>住居だから、収益還元法でみると利回りは低くなるが、虎ノ門などを見ると価格や賃料はどこまで許容されるのかよくわからない。
外国人富裕層中心に新たな高価格マーケットが形成されるのか、今後の動きに注目している。


ー都心で狙うべき長期にわたって資産価値の高い立地の7つの特徴

1,ランクの高い駅から近い(3分以内目安)
2,緑地隣接
3,人気のアドレス、地位(じぐらい)が高い
4,高台の高級住宅街
5,大規模再開発エリアの高級レジデンス
6,周辺に価値ある建造物がある
7,外国人の買いが見込めるエリアである

この7つを主として、
8,1~7のエリアに隣接して割安

であると考えている。


1,ランクの高い駅から近い
別記事で分析予定のマンション坪単価ランキングでは駅から3分以内の物件は港区以外でもベスト100に多くランクインしていた。
私も駅徒歩3分以内しか住んだことがないほど駅近至上主義なのだが、利便性最重視のこの傾向は今後も変わらないのではないかと思う。
2018.12
史上初調査! 東京マンション「坪単価ランキング」1000を発表
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/58667

2,緑地隣接
都心は皇居、日比谷公園赤坂御用地青山墓地神宮外苑、代々木公園など緑が多い。
そこまで大規模でなくとも、公園に隣接していたり、公園ビューなどの立地は大手各社の高額物件が多く見られる。

3,人気のアドレス、地位が高い
港区や千代田区、六本木、赤坂、青山、麻布、銀座など、名前を言うだけでいい場所だとわかる立地は人気も値段も高い。
地位(じぐらい)という不動産用語がある。
土地や地名のブランド力のようなもので、さらに細かく何丁目のほうが格上などとマウンティングするようなこともあるらしい。
個人的にはそういうのは値段に織り込まれるので、安い住所がこっちのほうが格上だと主張しても意味がわからないと思っている。
市場価格が正義である。

どうでもいいのだが、実際3Aや六本木、銀座などは中国人が値段を見ないで買っていったりするからやはり格が高い方がいいのだろう。
一応頭に入れておきたい項目だなと思った。

4,高台の高級住宅地
低層エリアの高級マンションはだいたい周辺より高い場所が多い。
東京都心は坂が本当に多いのだ。
昔は低地には工場があり、環境の悪い場所だった。
だから富裕層はそこから離れた空気のきれいな高台に家を建てていた。
そしてそういうエリアがそのまま高級住宅地となったということだ。

これに関しては駅近と同時に満たすものが少ないので、駅近の利便性か、静かな住宅街のどちらかとなることが多い。

5,大規模再開発エリアの高級レジデンス
森ビルの六本木をはじめとするヒルズや東京ミッドタウン恵比寿ガーデンプレイスなど、オフィスに併設した高級レジデンスである。
これらは駅近のものも多く、坪単価一位の虎ノ門ヒルズなども新駅直結+再開発である。

近年都心で増えており、駅近との相乗効果で低層住宅街よりも高価格のマンションが増えているのではないかと考えられる。

6,周辺に価値ある構造物がある
これには二つの意味があると思う。
一つは東京タワー、名門学校、大使館や美術館、国会や裁判所のような格の高いものがあることそのものでの「周辺の格上げ効果」。
もう一つはそういった建造物や、国立、区立の公園もそうだが、長期にわたって環境が変わらない可能性が高いという「周辺環境の保存性の期待値」ではないかと思う。

7,外国人の買いが見込めるエリアである
世界の基軸通貨はドルであり、外国人はドル建てで相場を見ている場合が多いと考えられる。
外国人から見て円安ドル高になると、日本の不動産はドル建てでは安くなる。
しかも日本は円安と株高が同時に起こる傾向があり、今回のアベノミクス相場も円安の時期には国内外の投資が一気に盛り上がっている状況だ。

こういった場面では外国人の方が高値で買ってくれることも多く、港区などは需要が集中して高値となっている。
日本人だけのマーケットより、為替差益分も高く売れる可能性がある外国人マーケットに入る立地を選ぶべきである。

8,1~7に隣接して割安
当然ながらここまで上げた好条件に複数該当する場所は非常に値段が高い。
駅と高級住宅街の中間エリアなどは環境も利便性もよく、特に賃貸では若干割安な場所もあるのでいいと思う。
ただし、購入する場合は基本的には高いところは高いまま維持されるか将来値上がり、安いところはさらに下がるというような二極化の傾向がある。
ブランドエリアの微妙な立地の物件は、富裕層に許容されるレベルなのかを調査しないといけない。


以上が都心で狙うべき長期にわたって資産価値の高い立地の7つの特徴と、その周辺エリアという調査方針である。

都心の高級住宅街はたいてい駅から離れている(といっても7,8分以上~というレベル)ので、まず駅近にこだわるか否かで二極化するものと考えている。
ITや金融など2000年以降の富裕層と、古くからのお堅い富裕層とも言えるのかもしれない。
車移動中心か、電車移動するか。
目立たない低層マンションか、目立つランドマーク物件か。

教育環境に関連する子供の有無ではないかと考えている。

次回マンション坪単価ランキングと、実際に高額物件が集中しているエリアについて分析したいと思う。